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【文章術】初心者WEBライターは「一文一義(いちぶんいちぎ)」を徹底しよう

WEBライティング

「一文一義で書く」とは「一つの文には一つの内容だけ書く」ことです。

一文一義の反対語は「一文多義(いちぶんたぎ)」です。
一つの文章に2つの内容が入っている文は一文二義(いちぶんにぎ)、3つ入っている文は一文三義(いちぶんさんぎ)といいます。  

WEBコンテンツの読者の多くは「短時間でサクッと情報収集したい」と思っています。
あなた自身もWEBコンテンツを読むときは流し読み / 斜め読み」することがほとんどではありませんか?

「 読者はできるだけ文章を読みたくないのだ 」という前提で「 短く、わかりやすい『一文一義』の文章 」を書きましょう。

本記事は「初心者WEBライター」「初心者ブロガー」の方向けの記事です。
以下の3点についてわかりやすく解説します。 

1.一文一義で書くべき理由(目的)とメリット(効果)
2.一文多義の文のデメリット
3.単文・重文・複文について

この記事を書いた人

名 前 )じゅんたけ(Takeda Jun)
現 職 )SEOコンサルタント・企業研修講師・ライティングスクール運営
資 格 )SEO検定1級(※1)・WEBライター検定3級(※2)
経 歴 )上場SIer(※3)でシステム営業を5年経験 → WEBマーケ企業で営業を1年経験 → 上場メーカーで新規事業・記事執筆を15年、SEO対策を5年経験

※1 一般社団法人全日本SEO協会主催 https://www.ajsa.or.jp/kentei/seo/
※2 株式会社クラウドワークス主催 https://crowdworks.jp/skill_tests/web_writer_3_kyu
※3 システムインテグレータの略

一文一義以外のWEBライティングのセオリーはこちらの記事で解説しています。

一文一義を含む多くの文章テクニックを学べる書籍はコチラ⤵

一文一義(一文一意)とは?

一文一義はWEBライティングのセオリーであることを示す画像

一文一義(読み方は「いちぶんいちぎ」)の意味

一文一義とは「一つの文章には一つの内容だけ書く」というWEBライティングの初歩的なセオリーです。

一文一義は「一文一意(いちぶんいちい)」ともいいます。
以下が一文一義の文例です。

文例

〇〇は××です。
〇〇が××しました。

一文一義の逆は「一文多義(いちぶんたぎ)」といいます。
一文に2つの内容が入っていれば「一文二義(いちぶんにぎ)」、3つ入っていれば「一文三義(いちぶんさんぎ)」です。
以下が一文多義の文例です。

文例

A)〇〇は△△なので××です。
B)〇〇が××したのは△△だからです。
C)〇〇が××したのは△△だからですが、さらに、□□という理由があり、これが★★の観点で極めて重要です。

AとBの文は、それほど複雑ではありませんが、Cはかなり複雑で情報量が多すぎる文だといえます。

 

一文一義で書く理由(目的)

「一文一義」は誰のためか? → 読者とGoogleのためです。
「Googleのため」とは「SEO対策のため」いうことです
「一文一義」で書くべき理由は以下の5つです。

1.読者にとって読みやすい文にするため

2.読者にとって理解しやすい文にするため

3.読者に誤解させないため(情報過多の文章は読者が誤解することが多い)

4.読者の「滞在時間」を伸ばすため(すいすい読める文章は滞在時間が伸びる)

5.SEO対策のため(滞在時間が長い記事は検索順位が上昇しやすい)

  

一文一義の文と一文多義の文の比較

一文一義の文と一文多義の文を比較してみましょう。

以下の3つの文は一文一義です。

↓↓↓↓↓

私は30歳です。
私は男性です。
私は会社員です。 

この3文を繋げて一文二義にすると・・

↓↓↓↓↓

私は30歳の男性会社員です。

となります。 

この文を分解すると・・

一義目 私は30歳だ
二義目 私は男性会社員だ

となります。 

一文にもっと多くの情報を詰め込むこともできますね。

↓↓↓↓↓

一文6義(一つの文に6個の情報を詰め込んだ)

私は、❶(年齢は)30歳の ❷(性別は)男性で ❸(職業は)会社員で ❹(会社の業種は)メーカーで ❺(そのメーカーの上場区分は)東証プライム上場で ❻(製造している品目は)精密機器です。

この一文6義の文を清書すると・・

一文6義の文の清書

私は30歳の男性会社員で、会社の業種はメーカーで、そのメーカーは東証プライムに上場しており、製造している品目は精密機器です。

この「ダラダラした文章」をもう少しスッキリさせると・・

一文6義の文の清書 を もう少しスッキリさせた

私は30歳の男性会社員で東証プライム上場メーカーに勤務しているが、そのメーカーは精密機器を製造している。

少しマシになりましたね。

一文6義の「マシになった文章」と一文一義の文章を下表に並べてみました。

一文6義の清書した文章一文一義の文章
私は30歳の男性会社員で東証プライム上場
メーカーに勤務しているが、そのメーカーは
精密機器を製造している。
私は30歳の男性会社員。
東証プライム上場メーカーに勤務している。
そのメーカーは精密機器を製造している。

一文6義の文章には「ダラダラ感」が残っていますが、一文一義の文章には「歯切れのよさ」がありますね。
何よりも「読みやすい」「わかりやすい」と感じるはずです。

 

一文一義のメリットとデメリット

一文一義のメリット(効果)

一文一義の文のメリットを「読み手(読者)」「書き手(ライター・ブロガー)」「Google」の3者の立場から見てみましょう。

 

読者の立場から見た一文一義のメリット

一文一義の文章の読者にとってのメリットは以下の3つです。

1.わかりやすい

2.誤解することが少ない

3.読みやすい(読み疲れせず、すいすい読める)

  

WEBライターの立場から見た一文一義のメリット

一文一義の文章のライターにとってのメリットも3つあります。

1.一文が短くなる

2.読者が正しく理解してくれる(読者に正しく伝わる)

3.読者が記事を読み進めてくれる(滞在時間が伸びる)

  

Googleの立場から見た一文一義のメリット(一文一義で書くことはSEO対策になる)

一文一義のわかりやすい文章が多い記事は、読者がどんどん読み進めてくれます。
その結果、読者の「滞在時間」が伸び → Googleからの評価が高まり → 検索順位が上昇する確率が高まります。
一文一義で書くことがSEO対策に繋がるのです。

一文一義は①SEOのための②Googleのための③検索順位を上げるための文章テクニックの1つである

 

一文一義のデメリット

一文一義にはデメリットが2つあります。しかしそれはメリットでもあります。

 

デメリット① 一文一義の文は稚拙だと思われる → 少し稚拙なぐらいが良文

いったん一文一義で書いた文章をチェックして「稚拙さ(幼稚さ)」と感じたら文章を再考しましょう。
とはいえ「幼稚ではない表現」が思い浮かばないことも多いかと思います。

だからといって、読者が理解しにくい一文多義の文に変えてはいけません。
稚拙さを感じさせないことより「理解しやすさ(わかりやすさ)」のほうが重要です。

あなた自身が稚拙な文だと感じたとしても、一文一義の文章のまま記事を公開しましょう。

一文一義の文と一文多義の文の比較表
読者は洗練された文章を求めていない(ニーズはない)

WEBコンテンツのほとんどは何らかの商品・サービスを販売するために書かれます。
読者は商品・サービスの内容を理解するために記事を読みます。

読者は「洗練された文章」を求めていません。
読者が求めているのは「わかりやすい文章」です。

文章が稚拙なことが最大の理由で商品が売れない・・ということは起きません。

文章がわかりにくかった

② だから商品やサービスの内容を十分に理解できなかった

だから買わなかった

という読者は山ほどいます。

逆に文章が洗練されていることが決め手となって商品が売れることもありません。(タイトルやキャッチコピーは売れ行きに影響する)
WEBライティングは「わかりやすさ」が最優先です。

 

デメリット②一文を短くすると記事全体の文字数は多くなってしまう

文字数制限がある場合は、文章を削ぎ落すか、一文多義の文に変えて文字数を削るしかありません。
しかし、文字数制限がなければ、一文一義の文のままでOKです。
記事全体の文字数が1割~2割増えてしまうことよりも、一文一文の内容をサッと理解できることを優先すべきなのです。

 

一文多義のメリットとデメリット

一文多義にもメリットとデメリットがあります。
以下に解説します。

 

一文多義のメリット(効果)

メリット① 一文多義なら一つの文章に情報をたくさん詰め込める

新聞や雑誌のテキストのスペースは限られています。したがって、一文多義の文章にせざるを得ません。
WEBコンテンツでも、クライアントがWEBライターに文字数を指定してくる場合があります。
この場合も、一文一義ではなく、できるだけわかりやすい一文多義の文で記事を執筆せざるを得ません。

 

メリット② 一文多義の長い文章は流暢だと感じる読者もいる

2文、3文を接続助詞で繋げた長い文章は「美文調」といわれ、流暢な良文だと評価する人もいます。
流暢さを出したい場合や、格式が高いと思わせたい場合は、一文一義ではなく、一文二義の文章を意図的に増やすのも有効です。

 

一文多義のデメリット

一文二義、一文三義の長い文章のデメリットを4つ解説します。

 

デメリット① 一文多義の文は一文が長くなってしまう(一文の文字数が多くなる)

一文多義の文は、必然的に一文の文字数が増えます。

一文が長い文章(一文の文字数が多い文章)はWEBライティングでは「悪文」です。
「読みやすさ」のことを「可読性」といいますが、長い文章は、可読性が極めて低い「駄文」です。

WEBコンテンツで長い文章を書く人は「文章力が極めて低く」「読者に対する ”思いやり” がない」ライターだといえます。

WEBライターにとって最も大切なのは「読者に対する思いやり」「読者ファースト」の気持ちです。

 

デメリット② 一文多義の文は熟読しないと理解できない(読者に脳を使わせる)

長くて情報量が多い文章、複雑な文章は、しっかり読み込まないと理解できません。
しっかり読み込む、とは読者が「考えながら読む」「読解する」ということです。

「読解」が必要な文章は、WEBライティングでは書いてはいけません。
読者に頭を使わせて、脳を疲れさせてはいけないのです。

「何も考えることなく」「読解することなく」すいすい読み進められる文章こそが、優れた文章なのです。 

 

デメリット③ 一文多義の文は読者の記憶に残りにくい

一文多義の文は、情報量が多いので「内容が読者の記憶に残りにくい」というデメリットがあります。

人間が短期記憶できるのは7つ前後といわれます。
たとえば「私の自宅の近所には小さな公園がある」という一文に入っている情報は5つです(7つより少ない)。

❶私の❷自宅の❸近所には❹小さな❺公園がある

「子供たちの笑顔はいつも私を幸せにしてれる」という一文に入っている情報も5つです(7つより少ない)。

❶子供たちの❷笑顔は❸いつも❹私を❺幸せにしてれる 

これに対して、以下の一文多義の文章には、〇つもの情報が入っています。

❶私の❷自宅の❸近所には❹小さな❺公園がある(のだが)❻子供たちの❼笑顔は❽いつも❾私を➓幸せにしてれる

情報が多すぎると、読者は一度で記憶できません。

人は脳に余裕がないと感動できない生き物です。
7つ前後なら短期記憶できるからといって、5~9つの情報を一文に詰め込むと、感動するための脳の余白がなくなってしまいます。

一文一義の文で情報を3~4個に抑えると、読者の脳に「余白」が生まれます。
そして余白があることで、読者の気持ちが動くのです(たとえば、買おうかな?問合せしようかな?などいう気持ち)。

人間は7個前後しか短時間では記憶できない(マジカルナンバー7)

 

デメリット④ 一文多義にすると文章に「ねじれ」が生じやすい

「文章のねじれ」とは主語と述語が食い違っていることです。
以下に一文多義のねじれた文例を紹介します。(赤字が主語、青字が述語)

文例1(ねじれた文章)

在宅勤務の作業効率を上げたいのだが、まず買い揃えたいのは、モニターとオフィスチェアを検討すべきだ

文例1のねじれを修正した文

在宅勤務の作業効率を上げるために、まず買い揃えたいのはモニターとオフィスチェアだ

文例1を一文多義から一文一義に修正した文

私は在宅勤務の作業効率を上げたい
そのために(私は)、まずはモニターとオフィスチェアを買い揃えたい

もう1例紹介します。

文例2(ねじれた文章)

彼女は東大進学を希望しているが、東大の松尾豊教授は日本のAI研究の第一人者だ

文例2のねじれを修正した文

彼女が東大進学を希望している理由は、東大には日本のAI研究の第一人者:松尾豊教授がいるからだ

文例2を一文多義から一文一義に修正した文

彼女は東大進学を希望している。その理由は東大には日本のAI研究の第一人者:松尾豊教授がいるからだ

  

単文・重文・複文

WEBの文章は単文で書くのがセオリー(重文や複文は極力使わない)

あなたは「単文・重文・複文」という用語を覚えていますか?
「単文・重文・複文」は一文一義と密接に関係する「国文法用語」です。
忘れてしまった方や知識がおぼろげな方のために解説します。

 

単文・重文・複文の意味とそれぞれの違い

単文とは?

「私は猫が好きです。」という文章は単文です。
単文とは「述語が1つ(単)だけの文」のことです。

主語と述語に分解すると・・

主語 私は
述語 好きです

となります。述語は「好きです」の1つだけですね。

 

重文とは?

「私が記事執筆を担当し、彼女がデザインを担当します。」という文章は重文です。
2つの主語が並列・対等の関係で、同じ述語が2回登場する文を重文といいます。

主語と述語に分解すると・・

主語1 私が
述語1 担当し(担当します)
主語2 彼女が
述語2 担当します

となります。

主語である「私が」と「彼女が」が並んでいます(「並列・対等」という)。
同じ述語である「担当します」が2回登場していますね。

 

複文とは?

複文は単文・重文よりも少し複雑です。

複文の文例1(主語と述語の間に伝聞が入った文例)

私は部長から、彼が関西エリアを担当することになった、と聞いた。

主語と述語に分解すると・・

主語1 私は
述語1 聞いた
主語2 彼が
述語2 担当する

となります。

主語が2つあって(「私」と「彼」)、述語も2つありますね(「聞いた」と「担当する」)。
このように主語と述語の間に「伝聞」が入った文を複文といいます
また、以下の文例2のように「原因・理由」と「結果」を接続助詞で繋げた一文も複文です。 

複文の文例2(「原因・理由の文」+「結果の文」)

文例1)コロナ感染者が急増したため(原因・理由)、政府は緊急事態宣言を発令した(結果)。
文例2)急激な円安が進行したため(原因・理由)、日銀は為替介入した(結果)。

 

WEBライティングは単文が基本

WEBの記事は基本的に「単文」で書きましょう。
単文は重文や複文よりわかりやすく、誤解も生まないからです。
下表の重文・複文と単文を読みくらべてみてください。
単文は「ラクに読める(何も考えなくてよい)」と感じるはずです。

重文単文
私は記事執筆を担当し、彼女はデザインを担当します。私は記事執筆を担当します。彼女はデザインを担当します。
複文単文
私は部長から、彼が関西エリアを担当することになった、と聞いた。私は部長からこう聞いた。彼が関西エリアを担当することになったそうだ。

 

最後に

本記事では「一文一義のメリット」「一文多義のデメリット」「単文が最もわかりやすいこと」について解説しました。

一文一義は中学高校では教わりません。したがって

→ 学生時代に国語が得意だった人でも、ほとんどが知りません。
→ 会社で文章が上手いと言われている上司や先輩も、ほとんどが知りません。
→ 年間数十冊読書する人でも、ほとんどが知りません。

しかし、一文一義はWEBライティングの学習の初期段階で出てくる基本セオリーです。
「WEBライティングをキチンと勉強しない限り」誰も教えてくれないセオリーは、一文一義以外にも数多くあります。

一文一義以外のWEBライティングのセオリーを「ひと通り」学びたい方は、以下の記事をご覧ください。
分量が多いので、目次から選んで読むことをおすすめします。

以下の「新しい文章力の教室」では「Chapter2 25 ”ひとつの文で欲張らない”」の章に、一文一義ついての解説があります。(「新しい文章力の教室」はトップブロガーほぼ全員が推薦する書籍)

本記事の内容は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。

JunTakeda(じゅんたけ)
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