本記事では能動態と受動態について解説します。
初心者ライターやブログ初心者の方は、能動態と受動態の違いや使い方のセオリーをご存知でしょうか?
WEBの文章は、できるだけ受動態を使わずに、能動態で書くのがセオリーです。
理由は、能動態のほうが、❶読者にとってわかりやすく❷Googleも理解しやすいからです。
本記事では以下の内容について、文例も交えて解説します。
1) 能動態と受動態の違い
2) 受動態のデメリット
3) 能動態のメリット
能動態と受動態の意味と違い
初心者WEBライター、ブロガーの方でも、能動態と受動態の正しい使い方を理解すれば、わかりやすい文章が書けるようになります。
本章では、能動態と受動態の意味と、それぞれが読者に与える印象の違いについて解説します。
能動態とは?
能動態は、文章の主語が「何かの行動をする」という文体です。
たとえば「彼がレポートを書いた」は能動態の文章で、「彼」が主語で、レポートを「書く」という「行動(能動)表現」で結ばれています。
ウィキペディア(Wikipedia)では以下のように説明されていますが、専門的すぎて私にも理解できません(笑)
能動態(のうどうたい、英: active voice)とは、文の態のひとつ。対応する受動態が存在する場合、能動と受動の対立のうちの無標の態を指す。初期変形文法の枠組みでは、核文に受動変換 (passivization) を適用したものが受動態の文であり、適用せずに表層形に写像したものが能動態の文となる。日本語文の能動態文では、動詞の語幹に「られ」などが付かない。
受動態とは?
受動態は、文章の主語が「何かをされる」という文体です。
たとえば「彼によってレポートが書かれた」は受動態の文章で、「レポート」が主語で、レポートが「書かれる」という「受け身(受動)表現」で結ばれています。
受動態についても、ウィキペディア(Wikipedia)の解説をご紹介します。
受動態(じゅどうたい、英: passive voice)とは、典型的には、能動態とは違って行為者が主語にならずに、行為を受ける対象が主語となる態である。能動態とは異なる特別な形式を持っている(有標である)。被動態(ひどうたい)または受身(うけみ)とも呼ばれる。
受動態の解説も難しいですね。でも、以下の例は分かりやすいと思います。
能動態と受動態の違い
能動態と受動態では、読者の印象は大きく変わります。
能動態、受動態の文章をいくつか読んで、自分自身がどのように感じるか?をあらためて体感してみるとよいでしょう。
能動態 | 受動態 |
わかりやすい | わかりにくい |
ストレートに感じる(伝わりやすい) | 回りくどく感じる(伝わりにくい) |
読者は簡潔ですっきりしていると感じる | 読者は複雑で冗長だと感じる |
読者はポジティブ(積極的)な印象を受ける | 読者はネガティブ(消極的)な印象を受ける |
読者は主体(人や企業)の意思の強さを感じる | 読者は主体の意思を感じない |
読者は当事者意識を感じる | 読者は当事者意識を感じない(他人事だと感じる) |
人が主語の場合は、基本的に能動態を使う (例:Aさんはボタンを押した) | モノが主語の場合は、基本的に受動態を使う (例:Aさんによってボタンが押された) |
人や企業を強調したい場合は、人や企業を主語にして能動態で文を書く | モノを強調したい場合は、モノを主語にして受動態で文を書く |
能動態と受動態の文例
能動態と受動態の違いを、さらに理解するために、いくつかの文例をご覧ください。
解説)主語である「人気ブロガー」が強調された文章です。スッキリした「わかりやすい文章」になっています。
解説)「新しい記事」というモノを主語にした文章です。回りくどさを感じるのではないでしょうか?一文の長さも能動態の文章より長くなっています。
解説)主語である「医師」が強調された文章です。スッキリした「わかりやすい文章」になっています。
解説)「最新の薬」(モノ)が主語の受動態の文章です。著者は「主治医」よりも「最新の薬」を強調したかったのだと思われますが、回りくどくてわかりにくい文章です。
解説)主語である「A社」が強調された文章です。
解説)「A社製であること」や「A社の社名」よりも、「新製品なのだ」ということが強調された文章です。
以上の3例で、人や企業が主語の能動態の文章のほうが、モノが主語の受動態の文章よりも「簡潔でわかりやすい」ことが理解できたと思います。
能動態を使うと文章が活気付く / 読者を引きつけることができる
能動態には「文章をより活気付けて、読者を引きつける効果」があります。本章では、能動態が持つ魅力について詳しく解説します。
能動態は読者に共感される
能動態は、主語が行動を起こすため、文章がダイナミックで力強くなります。読者は活動的な主体(人や企業)に共感しやすく、記事の内容に引き込まれます。
たとえば、「この記事では、私が最新のトレンドをご紹介します」という文章の主語は「私」です。「私」が積極的に情報を提供するという姿勢が示されており、読者は好印象を持つでしょう。
WEB上の多くの記事は、「私が」という主語は省略されて、「この記事では、最新のトレンドをご紹介します」となっています。
しかし、文末の「ご紹介します」という能動態が読者に「積極性」「好印象」を与えているのです。
能動態 | 受動態 |
ポジティブ(積極的)な印象を与える | ネガティブ(消極的)な印象を与える |
主体(人や企業)の意思の強さを感じる | 主体の意思が感じられない |
能動態は自分事に感じられる / 受動態は他人事のように感じてしまう
能動態では主語が行動の主体となるため、読者は自分がその行動をしているかのように感じることができます。
一方、受動態は行動の主体が曖昧な場合が多く、読者は他人事(ひとごと)に感じてしまうことがあります。
たとえば、市販の家電製品を使うのは「あなた」だけではありません。多くの「他人」もその家電製品を使います。
しかし「あなたがこのロボット掃除機を使用すると・・」という、読者(「あなた」)が主語で、述語が能動態(「使用する」)の文章ならば、読者は自分がロボット掃除機を使っているシーンを想像しやすいはずです。
能動態 | 受動態 |
自分事に感じられる | 他人事のように感じてしまう |
自分に置き換えて読める | 自分に置き換えて読めない |
自分が使っているシーンを想像できる | 自分が使っているシーンを想像しにくい |
能動態のSEO上の3つのメリット
SEO対策においても、能動態は重要な役割を果たします。
Googleなどの検索エンジンは、受動態よりも能動態の文章を正しく理解するのです。
本章では、SEO対策における能動態の重要性とその効果について解説します。
クローラビリティが向上する
能動態では主語が行動を行うため、クローラ(検索エンジンのボット)が内容を正確に理解しやすくなります。
受動態だと主語が曖昧になる場合があり、クローラが内容を把握するのが難しくなることがあります。
受動態よりも能動態を使用したほうが、記事がインデックスされて(Googleに登録されて)、内容が正しく理解されて、検索結果画面に表示される可能性が高まります。
読者満足度が向上する
能動態を使うと、文章がダイナミックになるので、読者に強い印象を与えることができます。
また、読者が自分自身に置き換えて内容を理解しやすくなり、満足度が向上します。
ユーザーの満足度が高いとGoogleのランキング向上にも寄与するため、SEO的な意味でも能動態は有益です。
SNS拡散と被リンクの獲得に役立つ
能動態の文章は、共感を呼び起こしやすいので、SNSで拡散される可能性が高まります。
また、他のウェブサイトからの被リンクも増える可能性があります。
SNS拡散や被リンクの数は「評判」であり、Googleは検索順位を決める際に「評判」を重視していると明言しています。
読者の共感を誘い、Googleの評価も高めるため、WEBの文章は能動態で書くことを推奨します。
最後に)
WEBライターに記事執筆を依頼するクライアント企業の中には、執筆ガイドラインで、受動態の使用を禁じている企業もあります。
WEBライティングやSEOの初心者の方は、Google検索の上位記事をじっくり読んでみてください。
ほぼすべての文章が能動態で書かれていることがわかるはずです。
トップブロガーの記事の中から受動態の文章を探してみてください。
受動態の文章はほとんど発見できないはずです。
WEBライティングでは、可能な限り、人や企業を主語にして、能動態で文章を書きましょう。
この記事が個人ブログを始めたばかりの方にお役に立てば幸いです。